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「おかげさまで」を大切に

11月23日が「勤労感謝の日」と法律で定められてすでに64年がたち、この祝日が戦前の祭日だった「新嘗祭(にいなめさい)」に由来することを知らない世代が増えてきている。

 この日、宮中の神嘉殿(しんかでん)で行われる新嘗祭では、天皇が神々に新穀を供えて一年の収穫を感謝するとともに、自らも食することによって天皇が国に実りをもたらす力を得るとされる。もともと民間で古くからあった新穀への感謝の祭りが皇室に取り入れられたものともいわれている。

 いわば皇室と国民とが一体となって秋の実りに感謝するわけだが、銘記したいのは、神や祖先、自然の働きのほか、農家や農具の製造、穀物の運搬などにもかかわる大勢の人々の働きに対する感謝の行事である点だ。

 こんにちではともすれば、「働き」を「収入につながる仕事」などと受け止めがちだが、新嘗祭に思いを致すとき、目には見えないあらゆるものの働きにも感謝の気持ちが起きる。

 日本人は伝統的に、そのような感謝の気持ちを美しい言葉で表現してきた。「おかげさまで」。この言葉にこめられた豊かな情緒をいま一度かみしめたい。

 人は誰一人として自らの力だけでは生きていけず、さまざまな働きに助けられている。「働く」という語は、古くは単に「動く」ことを意味するだけで、やがて「精を出して仕事する」「役に立つ」「役目を果たす」などの精神的な含意を獲得していった。

家事を含めた家族の営みはもちろんのこと、地域でのボランティアなど人助けのために汗を流す活動も「働き」であり、自衛隊のように国家の守りの役目を果たすのも重要な「働き」である。

 日本人は世界でも勤勉な国民として知られている。「働」という字が日本で創られた国字であることも、日本人の働き好きの一端を物語っていよう。

 文部科学省によると、今春の大学卒業生の22・9%が非正規雇用や進路未定だという。4人に1人が安定した職に就いていない。異常な事態といえ、今度の衆院選でも当然、若者の雇用を確保する経済政策が問われている。

 しかし、どんな仕事でも、巡り巡って人の役に立つ「働き」となる。それを喜びとし、「おかげさまで」と感謝しあうことの大切さにも、心を向けていきたい。

2012.11.23 03:08 産経ニュースより

http://sankei.jp.msn.com/life/news/121123/art12112303280001-n1.htm

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