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タイヤ脱落事故 続き

以前書かせていただいた、タイヤ脱落事故ですが、モータージャーナリストの清水和夫さんが書かれてました。長いですけど。

今日、箱根まで新型ジャガーのテストで東名高速を走行していた。その時、ふと、高速道路でトラックのホイールが外れて、反対車線を走っていたバスの運転手さんを直撃した事故を思い出した。 

信じらないと思う一方で、またか!とオレは思った。だって、ホイールが外れるのは日本では日常的で年間数十件の事故が報告されているからだ。数年前も同じような事故があったし、同じようなサイズのタイヤを履くバスではあまり聞かない事故なのだ。なぜ、トラックばかり事故が起きるのだろうか。

国土交通省の外郭団体に務めるある技師と別件でお会いした時に聞いてみた。

ーなぜ日本のトラックはホイールが外れるのでしょうか
ー過積載が日本では常識すから
ー五割ましくらいですか
ーそんなでは利益がでないでしょう
ーえっ、もっと積んでいるの
ー河原で砂利を運ぶトラックは50トンくらい積んでいます。さすがに公 
 道にでる時は減らしますけど
ーそんな使い方したら金属は疲労しますね
ーそうなんです。無法地帯です

事故が起き死者がでてから司法界で問題視される。でも、その本質は闇の中だ。日本の物流はいったいどうなっているのだろうか。

経済性重視、市場原理主義、過度なコスト競争は、ユーザーに安ければ良いという風潮を生んだ。その結果、いつしか物流界に大きなリスクをもたらしたのだ。もし、過積載が常識なら、安全率をもっと高く見込んで設計すればいい。ホイールナットの数も、日本の規格は8穴のJIS方式。欧米は10穴のISO方式を採用する。トラックメーカーも運送会社も社会的な責任を重く受け止めるべきだろう。運転手さんの点検ミスだけでこの問題をかたずけてはいけないのです。


許認可権を持つ日本の行政は、こうした問題が起きると自分たちの保身に走る。犯人捜しを行い、処罰することで、問題の火種を消しにかかる。しかし、事故の再発を防止するなら、徹底的に事故調査が行われるべきなのだ。日本とは正反対の制度を持つアメリカを見てみよう。

昔からの活動で有名な消費者問題活動家ラルフ・ネイダー氏は世界の自動車安全に大きな貢献を与えた人だ。1960年代にはアメリカ社会では交通事故の死者が5万人をこえる悲劇を抱えていた。1965年に彼が書いた「Unsafe at any speed いかなるスピードでもクルマは危険だ」という一冊の本はGM車の危険性を訴え、全米を巻き込む大論争となった。この本がアメリカ人のクルマに対する安全を意識づける大きなきっかけとなっていったことはいうまでもない。これをうけた連邦議会は「1966年国家交通並びにクルマ両安全法」(National Traffic and Vehicle Safety Act of 1966)を成立させ、その推進部署として現在の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration, NHTSA)が設立された。この安全法案に基づいて連邦自動車安全基準(Federal Motor Vehicle Safety Standard、FMVSS)が制定されたのである。しかし、アメリカではルール作りだけではなく、消費者の事実を知る権利も尊重されていた。1972年には自動車安全情報NCAP(NEW CAR ASESMENT PROGRAM)が成立し、消費者への自動車安全情報が提供されたのである。光かがやくアメリカの60年代のモータリゼーッションはその裏側では交通事故と戦っていたいのである。許認可権を持たないアメリカでは安全基準は目安だ。というのは、PL裁判の被告席に座らせされるメーカーや政府を守るのは「最善の努力をしたかどうか」。陪審員はそこを重視するだろう。


日本で欠けているのは、犯人捜しのために、誰も本音を語らないこと。私がもっとも重要だと思うのは徹底した「消費者ヘの情報公開」ではないだろうか。数年前に議論されたトラックのホイール脱落問題後に、政府の検討委員会が開催されていたはずだ。誰が何を発言し、会議はどう集約されたのだろうか?企業のトップは?行政の担当者は?有識者と言われる大学の先生達は何を考えているのでしょうか?

納得である。

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